「ビタミンA」は過剰摂取に注意!?効果と正しい摂り方とは?

この記事を監修した先生:

柳澤厚生先生

杏林大学医学部卒、同大学院修了。医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。2011年国際オーソモレキュラー医学会殿堂入りし、2012年同医学会会長。日本で初めてマイヤーズカクテル、グルタチオン点滴、高濃度ビタミンC点滴療法、サルベストロールサプリメントを導入。

一言で「ビタミン」といっても、多くの種類があります。ビタミンCやビタミンBは特に注目度が高く、日常的にこれらが多く含まれる食事を心がけていたり、サプリメントを飲んでいたりするかたも多いのではないでしょうか。

その中でも今回は、あまりなじみのない「ビタミンA」についてご紹介します。ビタミンAは、脂溶性ビタミンに分類されます。脂溶性ビタミンとは、ビタミンCなどの水溶性ビタミンとは異なり、体内から排出されず蓄積されていくビタミンです。様々な食べ物にも含まれているので、摂りすぎて過剰摂取になってしまわないよう、気を付けないといけません。特に妊娠中には注意が必要です。

ビタミンAは体の健康には必要不可欠であり、うれしい効果もたくさんあります。ビタミンAについてご紹介していきます。

ビタミンA の主な効果とは

ビタミンAには、主に粘膜の健康を維持する作用があります。まずはビタミンAを摂ることでどのような効果が期待できるのかみていきましょう。

目の健康を保つ

目の粘膜である角膜と結膜を保護する作用があるため、ドライアイや老眼の予防・回復、視力改善など目に関する健康保持に効果的です。さらに、網膜の新陳代謝を高める働きがあり、緑内障など目の病気の予防にも期待できます。乾燥が激しい冬は特にドライアイになりやすいため、積極的に摂取できるといいですね。

美肌効果

ビタミンAには皮膚や粘膜の新陳代謝を促進する働きがあり、美肌を保つためには大切な栄養素といえます。肌の基礎体力を上げる役割があり、シミやシワを防ぐアンチエイジング効果があります。肌のターンオーバーの促進にも作用するため、美白効果ももたらされます。しかし、ビタミンAは紫外線によって減少していってしまうため、健やかな肌を維持するには日々のこまかな補給がポイントとなるでしょう。

免疫力を高める

腸などの粘膜には、ウイルスや毒素等が体内に入るのをブロックする働きがあります。ビタミンAは、粘膜を強化することで、ウイルス等に対する防御力・免疫力を高めます。インフルエンザや風邪の予防にも効果的。風邪を引いてしまった時には、不足しないように意識し、免疫力を向上させるように心がけましょう。

ビタミンAの過剰摂取には注意!

通常の食事によってビタミンAを摂りすぎてしまうことはあまりありません。しかし、レバーやビタミンAサプリメントを多量に摂りすぎると、中毒症状を引き起こす可能性があります。

意外なことかもしれませんが、1本約30gの焼き鳥レバーでも、1日の上限量を超えるビタミンAを含んでしまいます。レバーを多めに食べた日があったなら、1週間は控えて調整するなど、自己管理が大切です。

ビタミンA過剰摂取による副作用とは

ビタミンAの過剰摂取による中毒症状には、急性中毒症状と慢性中毒症状の2種類が挙げられます。どちらも頭痛が中毒症状として特徴的です。それぞれの主な症状は以下の通りです。

[急性中毒症状]

頭痛、腹痛、めまい、吐き気などの症状の後に全身の皮膚がはがれる

[慢性中毒症状]

頭痛、関節痛、乾燥肌、脱毛、食欲不振など

妊婦のビタミンA過剰摂取には、特に注意が必要

美肌効果が期待できるビタミンA。女性にとってはうれしい効果ですよね。しかし妊娠中の多量摂取は、胎児の発育に悪影響を及ぼす場合があるとの研究データも。胎盤がまだ不安定である妊娠初期には、特に注意が必要です。

一方で、ビタミンAは胎児の臓器や器官の正しい成長に必要な栄養素でもあります。過剰摂取の可能性があるからといってビタミンAが含まれる食品を避けるのではなく、適量の摂取を心掛けましょう。

ビタミンA欠乏症の症状とは

これまでビタミンAの効果、過剰摂取についてみてきました。たくさん摂り過ぎるのはあまりよくないとお話しましたが、反対に不足してくると次のような症状があらわれる場合があります。

夜盲症

夜盲症とは、夕方以降になると文字や周囲のものが見えにくくなる症状のことをいいます。これは桿体(かんたい)細胞と呼ばれる視細胞の一種が、正常に機能しないために生じるものです。夜間に見えにくくなるだけでなく涙の分泌量が減り、ドライアイや視力低下に影響する場合もあります。

皮膚異常

皮膚や粘膜を保護する役割を担っているビタミンAが欠乏すると、上皮細胞が角質化。その結果、肌荒れや痒み等の皮膚異常が発生します。上皮細胞が角質化することでバリア機能も低下するため、免疫力が弱まり、口内炎や関節炎、副鼻腔炎にもかかりやすくなります。

胃腸粘膜欠陥

消化管の機能低下、特に胃粘膜がダメージを受けやすく、消化不良や食欲不振につながります。

生殖機能低下

男性では精子の形成障害、女性では卵子の形成障害及び子宮粘膜欠陥がおこります。そのため、女性の場合は生理不順になったり妊娠しにくくなる可能性も。

ビタミンAの摂り方のコツ

脂溶性ビタミンであるビタミンAは、そのまま生で食べるよりも油で炒めることで体内に浸透し吸収力が高まります。多く含まれる食材には卵や乳製品、うなぎ、レバー等があります。なかでも鶏・豚レバーはビタミンA(レチノール)が多量に含まれているので、取りすぎに気をつけましょう。先述のとおり、週に1回1人前を食べる程度であれば問題ありません。

また、ビタミンAは、ニンジンやほうれん草等の緑黄色野菜に含まれるカロテンを摂取することで、体内でも生成することができます。カロテンは必要な分だけビタミンAに変換されるので、過剰になってしまう心配がありません。特に妊娠中の場合は、レバーを頻繁に食べることは避け、緑黄色野菜からカロテンを摂取するように心がけると良いでしょう。

食品以外での効率的な摂取方法にはサプリメントが挙げられます。しかしビタミンAは、私たちが日常的に食べている様々な食品に含まれているため、ビタミンAのみが極端に不足することは稀です。そういったことから、もしサプリメントを選ぶのであればその他のビタミンも含むマルチビタミン等の製品がおすすめです。

まとめ 〜適切な量でビタミンAを摂取しよう〜

ビタミンAは、体にとって重要な役割を担っている一方、摂りすぎてしまうと様々な症状を引き起こす要因にも。適切な量を心がけ免疫力を高めていきましょう。

「摂り過ぎても不足しすぎてもダメ。私の場合どうなの?」とビタミンAの摂り方や自分にとっての適量がよくわからない場合や、欠乏症や過剰摂取が心配な場合は、気軽に専門医に相談してみてくださいね。

ビタミン摂取については、こちらのページでも詳しく解説しています。合わせてご確認ください。

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2017.11.02

<参考文献>
「薬剤師がすすめるビタミン・ミネラルの使い方」(丸善出版,2017年)

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