2017.12.1
食事・食材

医師が勧める「甘酒」の効果に注目!栄養補給から更年期障害の改善まで!?

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List dr kuwajima
この記事を監修した先生
栄養と漢方で、心も体も内側から元気にする体に優しい医療を実践。香川県での診療を行うとともに、高齢者施設での健康指導や、各地で公演活動も行う。
目次

テレビ番組やニュースでも健康に良いと紹介されることが多い「甘酒」。お正月に、神社で配布されているイメージがありますが、最近ではコンビニなどでも売られ、身近になってきていますよね。最近では疲労回復やダイエットなどに効果的と話題になっている甘酒ですが、実際にどんな効果があるのでしょうか?
栄養療法を実践する医師である桑島靖子先生は、自家製の甘酒をご自身で飲まれているだけでなく、患者様にもお勧めされていて、とてもいい効果を実感されているとのこと。今回は、桑島先生にお話を伺いながら、甘酒の健康効果についてまとめます。

甘酒の種類とは?

甘酒には大きく分けて「米麹から作る甘酒」と「酒粕から作る甘酒」の2種類あります。それぞれに利点が異なるので、自分に合ったものを選べるといいですね。

「米麹」から作る甘酒

麹と蒸した米を発酵熟成させ、麹の酵素によって米のデンプンをブドウ糖に分解させたものです。甘味の主成分がブドウ糖・ビタミン・アミノ酸であり、点滴と成分が近いのもポイント。「飲む点滴」「飲む美容液」と呼ばれます。酵素が多く含まれるため、腸内環境の改善や免疫の強化への効果が期待できます。

米を原料とするので、一切アルコールが含まれず、妊婦や子供、運転手でも飲めるのがポイントです。麹と米を使うため比較的高価になりがちです。

「酒粕」から作る甘酒

酒粕は、麹を発酵熟成し日本酒を生成したときに残る固形物のことです。鍋に酒粕と水を入れて溶かすだけで作れます。味を調整するために、砂糖を入れるため、カロリーは高くなりがちです。

酒粕にはアルコール分が含まれるため、酒粕から作る甘酒もアルコールゼロにはならないので注意が必要です。ただしカスを使うために価格は安価に抑えられます。米麹から作る甘酒より食物繊維が豊富で、ビタミンやアミノ酸もより多く含まれます。

甘酒の良いところ1:乳製品じゃない発酵食品

甘酒には人間の身体にとっていい効果がたくさんあります。その1つが
「発酵している」ということです。発酵すると、微生物のもつ酵素によって、人間の身体に有益なものを作り出すことができます。牛乳の発酵食品であるヨーグルトやチーズなども、腸内環境を整えるなど身体に良いことは知られていますね。

発酵すると、例えばこんないいことがあります。

  • 栄養価が高まる
  • 新たな栄養素が加わる
  • 消化吸収しやすくなる
  • 味わいが増す(旨味のアミノ酸・甘味のブドウ糖)

さらに甘酒の良いところは「乳製品ではないこと」。日本人は民族的に乳製品が合わない体質のため、乳製品アレルギーを持っている人も多くいます。チーズやヨーグルトはアレルギーで食べられないひとでも、甘酒なら無理なく摂取できるというメリットがあります。

甘酒のいいところ2:栄養素の宝庫

発酵しているので栄養価が増すことは前述しました。具体的には、ビタミンB群が増加し、特に吸収率の高いビタミンB群が多くなるのが特徴的。麹菌が米の表面で繁殖するときに、ビタミンB群を大量に作るのです。ビタミンB群には、疲労回復、精神安定、食べ物の代謝を助けるなど、様々な効果があります。

他にも、美白効果が期待できるコウジ酸、抗酸化に役立つフェルラ酸など、美容や健康によいとされる栄養素が多く含まれるのです。

甘酒のいいところ3:腸内環境を整え、免疫力を強化!

甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維は、腸内環境を整える効果があります。悪玉菌やウイルスの増殖を抑え、腸のバリア機能を高めることで、免疫力が高まり、病気になりにくい体作りにつながります。また、腸内環境が整うと、アレルギーを起こしにくくなったり、肌の調子が整ったりといった効果も期待できます。

甘酒のいいところ4:更年期障害の改善にも役立つ

多くの栄養素を含むために、女性が悩まされる更年期障害の改善にも役立つのが甘酒です。例えば、更年期の睡眠障害にも寝る前に甘酒を飲むことで改善が見られるそうです。ライオン株式会社の実験でも、清酒酵母には深い睡眠を誘発するアデノシンA2A受容体の活性化に役立つ作用があり、睡眠の質を高める効果があることを発表しています。(※1)

他にも、血圧の上昇を抑えたり、免疫力を高めたり、肌年齢の改善にも役立ったりします。更年期障害に悩まされている女性は、ぜひ毎日1杯の甘酒を取り入れてみるのもおすすめです。

まとめ 〜甘酒で健康に近づこう!〜

いかがでしたか?甘酒はその効果から、医療現場でもたくさんの試みがみられているようです。実際に、桑島先生は、老人ホームに入所している高齢者30名に米麹で作った甘酒を提供されており、下記のような効果を実感していらっしゃるとのこと。

  • 便秘の改善
  • 過敏性腸症候群の改善(腹痛や下痢)
  • 食欲改善
  • 肌状態の改善
  • 低血糖症状の改善
  • 精神状態の安定
  • インフルエンザ等の集団感染の軽症化

甘酒は日本古来からの知恵であり、うまく生活に取り入れていけるといいですね。ただし、市販の甘酒にはあまり酵素の力がないので、できるだけ手作りがおすすめです。
炊飯器やヨーグルトメーカーを使って作る方法もあるようなので、是非一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

症状によっては、甘酒だけでなく、一部の栄養素をサプリメントや点滴を併用するのもよいかもしれません。摂取量や必要なサプリメントがわからないかたは、ぜひ気軽に栄養療法を行う医療機関に相談してみてください。

【参考】
医療法人社団桑島内科医院 副院長 桑島靖子「食べる生甘酒で健康と食育」(講演会資料、2017)
「食べる甘酒で病気が治る!楽々やせる!-一晩で作れる!高血圧、糖尿病を撃退する特効スイーツ」(マキノ出版ムック)2017」

※1
ライオン株式会社「『清酒酵母』に”睡眠の質”を高める高価があることを世界で初めて発見! http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2014/962

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