予防が肝心!心臓病を防ぐために摂るべき栄養素

この記事を監修した先生:

柳澤厚生先生

杏林大学医学部卒、同大学院修了。医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育センター所長。2011年国際オーソモレキュラー医学会殿堂入りし、2012年同医学会会長。日本で初めてマイヤーズカクテル、グルタチオン点滴、高濃度ビタミンC点滴療法、サルベストロールサプリメントを導入。

生活習慣が体に及ぼす影響は計り知れません。ガン、心臓病、脳卒中。これらは全て生活習慣病であり、日本人の三大死因ともされています。生活習慣病は自覚症状があまりないまま進行していくことが多いため、悪化すると命にかかわる危険性があります。

今回の記事では、ガンに次いで死亡率の高い心臓病(心疾患)について取り上げていきます。代表的な症状、そして予防のためにとっておきたい効果的な栄養素と、なるべく控えた方が良いものを、国際オーソモレキュラー医学会会長であり、心臓専門医の柳澤厚生先生に伺いました。

心臓病の種類は4つある!

一口に心臓病といっても症状は様々。「心臓病」と聞いてもいまいちピンとこない方もいらっしゃるのでは?代表的な心臓の病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

心臓に負担がかかる「心臓弁膜症」

心臓には4つの部屋があり、各部屋に血液の流れを一方向に制御するための弁膜がついています。これらは血液を上手く循環させるために大切な役割を担っています。この弁のはたらきが損なわれ心臓に負担がかかってしまう病気が心臓弁膜症です。

心臓弁膜症の自覚症状には

  • 横になると息苦しくなる
  • 疲れやすい
  • 動悸、息切れ
  • 足のむくみ

などがあります。

圧迫感を感じる「狭心症」

心臓は心筋という筋肉でできて、ポンプのように絶えず心筋を収縮させて体中に血液を送り届けています。そのために心筋は非常に多くの酸素を必要とするので、冠動脈から心筋に血液を供給します。この冠動脈が細くなると、心筋に酸素が欠乏し、締め付けられるような胸の痛みや圧迫感を感じるようになります。これが狭心症の主要症状です。心筋梗塞とは異なり、痛みは10分ほどでおさまります。

心不全にもつながる「心筋梗塞」

冠動脈が血栓によって詰まり、心筋の細胞の酸素が欠乏して壊死してしまうのが心筋梗塞です。この死滅した部分の働きが低下するため、心臓のポンプとしての力も弱くなり、心不全を引き起こすことがあります。
症状の特徴は突然の胸痛で始まり、吐き気や冷や汗を伴います。胸痛は短時間でおさまる狭心症と比べて、数十分(長ければ数時間)痛みが続くことがあります。

脈の速さが変わってしまう「不整脈」

脈拍はストレスや体質的な影響を受けやすいため、多くの場合は問題ないことが多いとのこと。しかし、脈が極端に速く(遅く)なる状態が続く場合、同時にめまいや失神を起こすことがあり、注意が必要です。

予防に効果的な栄養素を紹介!

様々な症状を引き起こし、時には生命に関わるリスクをもたらす心臓病。食生活の欧米化に伴い、日本でも国民病としての認識が広がっています。そこで、日々の食事から心臓病予防として取り入れられるものをご紹介していきます。

血液をさらさらにする「DHA」「EPA」

まず心臓病予防に切っても切り離せない重要な栄養素がDHAとEPA。これらはオメガ3脂肪酸とよばれるものです。主に青魚に含まれており、血液をサラサラにする効果があります。過去の調査で、魚を主食としていたイヌイット(エスキモー)の人々の心臓病発症率は極めて少ないことが報告されています。
悪玉コレステロール値や中性脂肪値を下げ、血栓を予防します。DHA、EPAは体内で生成できないため、食事から取り入れることが欠かせない栄養素です。

<DHA、EPAを多く含む食品>

  • 青魚(サンマ、イワシ、サバ、ブリ、マグロなど)

柳澤先生「脂肪酸は性質上、加熱によって溶け出してしまうので、刺身やカルパッチョといったかたちで食べられるといいですね。」
また、マグロの場合赤身ではなく、脂の乗っている部位である大トロに豊富に含まれているとのこと。

血管を広げる「マグネシウム」

マグネシウムには血管を広げる作用があります。心拍数をバランスよく保つ働きを担っているため、不整脈を防ぐ効果が期待できます。血栓を予防する作用もあることから、心筋梗塞から身を守るためにも摂っておきたい栄養素といえます。
国立がん研究センターによる調査により、マグネシウムを多く含む食品を摂取していた人ほど、心筋梗塞を含む虚血性心疾患の発症リスクが低下する傾向があると報告されています。

<マグネシウムを多く含む食品>

  • アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類
  • わかめ、こんぶなどの海藻類
  • 豆腐、納豆などの大豆製品

なるべく控えた方が良いものとは

一方で、心臓病を防ぐためには摂取を控えたほうがよいものもあります。嗜好品に含まれるものも多いため、摂りすぎには配慮するようにしましょう。

・糖質、塩分
糖質は血糖値のみならず、中性脂肪も上昇させるため、過度の摂取は控えるよう意識しましょう。減塩は、高血圧リスクを下げることにもつながります。

・飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、肉の脂肪やベーコンなどの肉加工品に多く含まれています。悪玉コレステロール値を上昇させる原因になります。

・トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸。それらが原料に含まれるクッキーやケーキ、ファーストフードはなるべく避けるようにしましょう。飽和脂肪酸と同じく、過剰摂取が続くことで悪玉コレステロール値を上げてしまう危険性があります。

適度な運動も大切!

デスクワークの毎日、移動は車が中心など、どうしても運動不足の日々が続いてしまうこともありますよね。しかし、適度な運動は肥満防止のみならず、心臓病予防にもとても重要です。運動と聞くとジョギングやジムなどを思い浮かべる人もいらっしゃるかもしれませんが、ウォーキングを行うだけでも効果的だと柳澤先生はおっしゃいます。日々の生活では下記のようなことに気を付けてみてはいかがでしょうか。

  • エスカレーターではなく、なるべく階段を使って歩く
  • 通勤時の電車では座らないようにする
  • 好きな場所の景色を見ながら歩く

苦にならないレベルの運動を継続したり、楽しく体を動かす趣味を取り入れてみるのもオススメです。

まとめ

生活習慣病として挙げられる心臓病。体に良くない習慣を続けることで発症のリスクが高まりますが、それは同時に食事をはじめとした毎日の生活習慣を改善すれば予防ができるということ。ぜひ一度、自分が行っている習慣を振り返ってみるのはいかがでしょうか。

心臓病リスクが高まるとされている40代からは、定期的に検診を受けることをおすすめします。また、胸の違和感や強い痛みを感じた時には我慢せず専門医療機関に相談し、放置しないことが予防のみならず早期発見にとって肝心です。

参考
・食事でマグネシウムを多く摂ると・・・心臓病のリスクが3割減
https://www.sankei.com/life/news/170919/lif1709190022-n1.html

・マグネシウムの多い食品が心筋梗塞のリスクを低下 8.5万人を調査
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017/027300.php

・柳澤厚生編「脂質栄養学シリーズ:心臓・脳血管の動脈硬化と脂質栄養」学会センター関西

 

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