2017.11.9
脳・精神の悩み

食事でうつがよくなる!?脳を元気にする食事法!

Eye catch
List dr mizoguchi
この記事を監修した先生
医療法人回生會 理事長、新宿溝口クリニック院長。 一般診療にオーソモレキュラー医療のアプローチを応用。治療が困難な疾患に対する栄養療法を実践し、多くの改善症例を持つ。毎日の診療とともに、患者や医師向けの講演活動も行っている。
目次

年々増加傾向にある「うつ病」。2008年に厚生労働省が行った調査では、うつ病と躁うつ病(双極性障害)の患者は100万人以上といわれており、隠れうつ病も含めると300万人以上と推定されている、身近な精神疾患です。

うつ病とまではいかなくても、「ちょっと最近うつっぽいかも?」と思うようなことは、誰でもあるのではないでしょうか。うつ病は、ストレスや身体の不調、環境の変化など、さまざまな要因が重なって発病されると考えられてきましたが、実は日々の食事が原因になり得ることが分かってきています。

本記事では、オーソモレキュラー療法による精神疾患の治療経験から、『脳から「うつ」が消える食事』という本を執筆された、溝口徹先生にご監修いただき、脳から「うつ」を無くし、心身ともに元気になるための食生活のポイントをご紹介します!

また、うつを引き起こしかねない習慣や、うつを治すために必要な栄養に関してはこちらの記事でも紹介しているので、参考にしてください。

キーワードは「糖質」

皆さんは「糖質」と聞いて何の食べ物を思い浮かべますか?ケーキ、チョコレート、クッキーといった、甘い物を想像するかたが多いのではないでしょうか。しかし、糖質は甘い物だけでなく、穀類や芋類にも多く含まれています。主食ともいわれるご飯やパン等の炭水化物も、主な成分は糖質です。このような炭水化物は「主食」「3大栄養素のひとつ」とも言われるように、エネルギー源として重要だと言われてきました。しかしこの炭水化物にも多く含まれる糖質が、実は脳に悪さをし、メンタルにも影響をするのです。

最近、「糖質制限」という言葉をよく聞くようになりました。色々と書籍が出ていたり、糖質制限中でも食べれる食品等もよく話題になっていますね。ダイエットの手法として話題になっている糖質制限ですが、実は体重を落とすためだけでなく、精神的な部分でも重要なのです。

「うつ」と「糖質」の関係

食事をすると誰でも血糖値はあがります。通常はゆるやかに上がって、ゆるやかに下がり、食後3~4時間で空腹時と同じ値になって安定します。血糖値が安定していれば、精神的にも安定し、やる気・集中力が維持できる状態を保てます。しかし糖質の高い食品を食べると、血糖値が急激に上がり、それを下げるためのインスリンという成分がたくさん分泌されてます。インスリンによって血糖値が急激に下がると、交感神経が刺激され、イライラや緊張感、ストレスをもたらし、うつ症状を促進してしまう可能性もでてきてしまうのです。

また、糖質が怖いのは、中毒性があるということ。甘い物を食べると幸せな気持ちになる…と思ったことはありませんか?それもそのはず。糖質が体に入ると、脳内ではドーパミンという快感物質が作られるのです。そして脳はその快感を覚えてしまい、「糖質が食べたい」という欲求を発し、そしてさらには糖質中毒になってしまうのです。そうなると、血糖値が乱高下することが日常化し、常に精神が安定しない状態を引き起こしかねません。

糖質で「うつ」を引き起こさないためには?

ありふれた栄養素でありながら、意外と怖い「糖質」。しかし糖質を完全に避けることは簡単ではありませんよね。それでは、糖質によって精神状態に悪影響を及ぼさないためには、何を心掛ければいいのでしょうか。

低GI値の食品を選び、量は控えめにしましょう!

GI(グリセミックインデックス)値とは、食品ごとに食後の血糖値がどのくらいのスピードで上がるかを示した指標です。GI値が高いほど血糖値は急激に上がり、低いほどゆるやかに上がることを意味します。

例えば米や麦などの食材は、精製されていないものの方が、食物繊維やミネラルが残っているため、吸収がゆるやかになり、GI値が低くなります。

高い順に並べてみると…

白米>胚芽米>玄米

食パン>ライ麦パン>全粒粉パン

うどん>パスタ>そば

といったように、精製された色の白い主食類は、血糖値が上がりやすくなっています。なるべく食べるのを避けるか、色が茶色く、精製されていないものを選びましょう。そして量は出来るだけ少なく控えることがお勧めです。

食べる順番を考えましょう!

白米や食パンは控えたほうが良いといっても、実際の食生活ではなかなか難しいものです。どうしても避けられないときは、「血糖値をゆるやかに上げていく食べ方」を心掛けましょう。野菜のようにGI値の低い物から順番に食べていく事で、血糖値の上昇をゆるやかにできるのです。

具体的には・・・

野菜(食物繊維)→メインのおかず(たんぱく質)→ご飯(糖質)

の順番といった具合です。

また、空腹の状態で食事をとると、血糖値が急上昇しやすくなってしまうので、注意が必要。食事と食事のあいだに時間があいて、どうしても空腹になってしまう場合は、少量のナッツ類などを食べることがおススメです。ナッツ類はビタミンE、ミネラル、ビタミンが含まれており、健康的なおやつとして最適です。

たんぱく質をしっかりとりましょう!

炭水化物を控えめにするって…じゃあ何を食べればいいのでしょうか?ビタミン等を多く含む野菜なども大切ですが、うつを遠ざけるもう一つのポイントは「たんぱく質」です。たんぱく質は生命にとって1番重要な栄養素。髪や皮膚、爪はもちろん、血液、筋肉、内臓、ホルモンや脳の神経伝達物質に至るまで、すべてたんぱく質でできています。つまり、たんぱく質は、私たちの生命活動を維持するためにとても重要な栄養素であり、精神症状の改善に必要な神経伝達物質を作るためにも、無くてはならない大切なものなのです。糖質制限をする場合は、肉や魚などのたんぱく質を多めに摂ることで、満足感も得られますよね。是非、積極的にたんぱく質を摂りましょう。

「脳の栄養はぶどう糖だけ」はウソ

頭を使って疲れたから甘い物を食べる、という人は多いですよね。長い間、「脳のエネルギー源になるのはぶどう糖だけ」ということが信じられていましたが、最近ではケトン体という物質も脳のエネルギー源になるということが分かってきました。このケトン体という物質は、炭水化物などの糖質を制限することで多く作られ、ぶどう糖よりも脳に良い、とも言われています。実際に、糖質制限をして頭がクリアになった、という方がほとんどです。

まとめ:「うつ」かも?と思ったら、まず食事を見直しましょう

いかがでしたか。うつは、薬では根本的な治療が難しい病気。日々の食習慣を見直すことが、一つの解決法になるかもしれませんね。自分は「うつ」かも?と思ったら、無理のない範囲で、糖質を制限したり、血糖値が乱高下しないような食事法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

やり方が分からない、自分でやるのは心配、という場合は、栄養療法を実践している医療機関に気軽に相談してみてください。

参考書籍:脳から「うつ」が消える食事 溝口徹(青春出版社)

https://www.amazon.co.jp/dp/B00DKMSVZQ/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

新宿溝口クリニック:http://www.shinjuku-clinic.jp/

オーソモレキュラー医学をご存知ですか?
あのぐるナイにも登場!「オーソモレキュラー」ってなに?
「栄養療法」という言葉から、みなさんは何を想像しますか?このサイト「オーソモ!」では、栄養療法の観点からさまざまな症状への対処法をご紹介しています。特に、治療レベルの栄養療法である「オーソモレキュラー
こちらの記事もおすすめです