「キレーション治療」とは?医師に聞いた、家でもできる最強のデトックス法

この記事を監修した先生:

上符正志先生

1960年、山口県下関市生まれ。九州大学工学部在学中、医師が社会で果たすべき役割にめざめ転身、産業医科大学医学部に入学。卒業後、横浜市民病院外科、北里大学医学部救命救急センター、益子病院内科などで治療に携わりながらも、病気の早期発見・早期治療の方法に限界を感じていた。そんななかでアンチエイジング医学と出会い、発症を未然にふせぐ患者本位の医療の可能性を見いだす。米ニューヨークのザ・サレーノ・センターで行われている最先端治療プログラムを習得し日本に導入。

 

栄養療法で健康を目指すのがオーソモレキュラー医学ですが、栄養を摂取するだけでなく、不必要なものや毒になってしまうものを体内から排除することも重要な要素のひとつ。世に言う「デトックス」というものです。

デトックスの方法の1つに「キレーション療法」があります。この言葉、聞いたことがない人が多いのではないでしょうか。知らない人からしたら、具体的には何を治せる治療法なのかも謎ですよね。

今日は「キレーション」について基本情報を上符先生に伺ってきました!病気の予防や治療に加え、妊娠や出産などの大切な時期にも是非取り入れたいキレーション。家でもできる食事法などもあるので、参考にしてみてください。

「キレーション」とは?

キレーションというのは、「身体の中に知らない間にたまってしまった有害物質を、身体の外に排出する治療」のことをさします。簡単にいうと解毒・デトックスのことです。水銀や鉛、ヒ素といった有害な重金属をはじめ、化学物質など、身体にとって不要・有害な成分を掃除する治療を、専門用語でキレーションといいます。

上符先生によると、キレーションという言葉はアメリカの点滴療法の医療現場で生まれ、日本で知られ始めたのはここ10年くらいの出来事だそうです。そのため、医療関係者でもまだ知らない人が多いとのこと。

キレーションは何に効く?

キレーションというのは元々、戦争中に開発された治療法でした。具体的には毒ガスなどによる被害を治療するための方法なのです。

その後、炭鉱労働者などに重金属中毒などの病気が発見されたことで治療法が広がります。現在では動脈硬化やメニエール病、パーキンソン病などの病気の治療に対しても、キレーション療法が有効であることが判明しており、様々な病気へ適用されているのです。

病気の治療に限らず、健康維持のためにもキレーションはとても有効です。現代社会において有害な重金属を避けて生活することは難しく、食べ物や農薬、大気汚染、喫煙やヘアカラー剤など、重金属を含むものは私たちの周りにありふれています。

これらの重金属は体内にどんどん蓄積されてしまうので、様々な不調や病気の原因になってしまうことも。上符先生のクリニックでは、原因がわからない慢性疲労や鬱、皮膚炎などで来院された患者が、実は重金属中毒だったというケースをたくさん診断されているそうです。

たとえば、日本人は魚を食べることが多いため、水銀が体内に蓄積してしまいがち。水銀は、頭痛やしびれ、言語・集中力・視力などの低下を引き起こす可能性があるだけでなく、母体に水銀が多く蓄積されていると、胎児の体や脳の発達に影響を与えてしまうことが分かっています。

原因不明の体調不良があったり、病気が心配なとき、また妊娠していたりこれから妊娠する予定があるかたは、一度キレーション療法を行っている医療機関を訪れてみてはいかがでしょうか。毛髪や尿の検査で体内の重金属を調べることができます。

キレーションの具体的な治療法はさまざま

キレーションには具体的にどういった方法があるのでしょうか。その治療法はとても様々です。

点滴や飲み薬/サプリメントでキレーション

医療機関で主に使われるキレーションの方法は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)という成分を使ったものです。このEDTAという成分は、血液中に存在する重金属をしっかりと捕まえて、尿といっしょに体外に排出する働きをします。

その他に、DMPS、DMSA、チオラなど、様々な種類のキレート剤が存在しています。また、アンチエイジング効果でも知られているアルファリポ酸という成分にもキレーション効果があるので、サプリメントを使うこともあります。キレート成分の種類によって、排出できる重金属の種類が違うので、医師と相談しながら進めるようにしましょう。

食事でキレーション

医療機関でのキレーション療法だけでなく、食事を通して毎日の生活にも取り入れられるキレーション方法があります。玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク、パクチー等の食材は、体内にある重金属に吸着して排泄を促す解毒剤として機能したり、体の解毒力をアップしてくれるそうです。昔から体に良いと言われている食材には、生物化学的な根拠があったんですね!

重金属や毒素が気になるというかたは、日々の食事に積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。キレーションの効果を得るためには、できるだけ生の状態で食べるようにしましょう。

まとめ

キレーション療法について、上符先生にお伺いしてきました。「デトックス」と聞くと、美容やダイエットをイメージしがちですが、動脈硬化やパーキンソン病などの疾患をはじめ、頭痛などの不調や、子供の発達にも関係しているとは、驚きです。

まずは食事での身近な手法を取り入れ、それでも心配な場合は、キレーション療法を取り入れている医療機関を訪れてみてはいかがでしょうか。オーソモレキュラー療法で体に必要な栄養を取り入れると同時に、不要なものをデトックスして、より健康な心身を目指しましょう。

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